さて、目をつけていた2階物件が他の方に契約を先を越されてしまいましたが、文句を言っても事態は変わりませんし、冷静になって考えると、これは必ずしも悪い結果ではなかっと考えるようになりました。
今回の物件には、デューデリジェンスに時間と手間をかけた分だけ、かなり惚れ込んでしまっていたことに気付きました。本来は事業を成功させるためのデューデリですが、精査すればするほどそのかけた手間暇を惜しいと思ってしまうのです。「デューデリの罠」とでも名付けましょうか?障害があってそれをアイディアやコストで乗り越えて、そういう精密な調査は、それ自体に判断を狂わせる罠が内在しているわけです!
しかし、本当にその物件が優良だったのかを改めて考えると、大きな弱点があることに気付きました。
それは、エレベーターのない2階物件であること。こればっかりは、後の工夫ではどうにもできないですからね。
ということは、今後ズーっと1階物件の出店に怯えることになりますからね。
1階がコインパーキングだったこともあり、お客さまもご来店しやすいだろうとか、階段は広いからギリギリセーフだなとか自分にとって都合の良いように解釈していた部分があったかもしれません。実は、西武多摩湖線「一橋学園駅」にそのような条件のトランクルームがあったので、イケる判断を後押ししていたのですが、もし競合他社が近隣に1階物件を出してきたらどうなるのかに目を瞑っていたのは明白です。
とはいえ、地場の不動産屋によると、この近辺で1階テナントが出にくいというのと、出たとしてもトランクルームをやるには賃料が割高である事を確認したわけですが、そうは言っても万が一出店された場合、この物件の競争力は大きく低下する可能性が高いわけです。
「この物件ならイケる!」と考えるのではなく、本来は「この物件より条件の良い競合が現れても、それでも事業として耐えられるのか」まで考えなければならなかったのに、そうならなかったのです。
株式投資には「銘柄に惚れるな」という格言があります。
事業用不動産も同じで、かけた手間暇を惜しんで物件そのものに惚れてしまうと、欠点を自分に都合よく解釈してしまう。
今回、物件を他人に先取られ、強制的にその物件から切り離されることになったことで、ようやく冷静に「物件」と「事業」を分けて考えられるようになりました。
欲しいのは、その物件ではなくて、トランクルーム事業として成立する物件であるはずです。
そう考え直して気持ちを切り替えたところ、現在検討している物件を見つけたわけです。
今回の経験で得られた最大の収穫は、次に良い物件を見つけたという単純な結果だけではないわけです。
物件に惚れ込むことなく、需要 × 参入障壁 × 資金体力を確認し、さらに初期費用だけではなく、設備の故障・維持管理・撤退時の残置物・将来的な競合出現まで含めて考えることの重要性を実感できたことだと思います。
そして、最終判断の前には一度ゼロベースに戻り、「もし今この物件が消えてなくなったとしても、それでもこの市場・この事業に参入したいか?」と自問することで、冷静にデューデリして決断できるようになることが期待されます。
今回の2階物件を失ったことは残念だったようで、物件への執着というかかけた時間を勿体なく思う気持ちを一旦強制リセットでき、より冷静な目で次の物件を見ることができるようになったので、むしろラッキーでした。
負け惜しみではないですよ!(笑)

